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「乳がんを抱きしめて」の小堀昌子さんにインタビュー

小堀昌子さんのプロフィール

1965年茨城県に生まれる。
株式会社プロモーションセンター(広告制作会社)の専務取締役。
2005年、39歳で乳がん(浸潤性乳管がん)と診断される。
聖路加国際病院の中村清吾医師の元、抗がん剤や放射線などの治療を経て翌2006年3月に手術。
トリプルネガティブのためホルモン剤は使用できず、現在、無治療、再発はない。

Q1:どうして本を書こうと思われたのですか?

この本は、治療中に書いていた治療日記がベースになっています。

この本というよりも、治療日記を書こうと思ったのは、私はとても忘れっぽいので、命にかかわる人生の一大事のとき、医師から聞いたことを忘れないように書きとめ、そして医師から聞いたことを復習して理解したいと思ったからです。

もともと文章を書くことは嫌いではありませんでしたので、書くことにより、医師の説明を改めて理解し、それによって疑問もでてきます。そうすると、その疑問を調べたりして、より理解は深まりますし、分からなければ次の診察のときに質問してみよう!ということになります。そうしなければ、自分自身の病気も理解できないし、治療について、自分で判断できないと思ったからです。

最終的に、本にしようと思ったのはまだ先の話ですが、意外にこの治療日記に自分自身がはまったんです。というのも、『乳がん』を自分が体験するなんてもちろん考えてもみませんでしたし、抗がん剤治療を自分が受けるなんて、それまでの私の人生で夢にも思わなかったですから・・・。だから、自分自身に何が起こっているか、異変が出た場合、医師にきちんと説明できるように(これもまた忘れっぽいので・・・)記録として残しました。

治療が終わって、無治療の状態になってから、「我ながらよく頑張ったな・・・」と、その日記を読み返したとき、これを主治医に読んでいただこうと思ったんです。

Q2:へー!日記を主治医さんに渡されたんですか!!

私の主治医、聖路加国際病院の中村清吾先生は、乳がん治療ではトップのお医者さまですが、それまでまったくの健康体だった私は、中村先生のことも知りませんでした。

しかし、中村先生が日本の乳がん治療の向上のために第一線で努力されている方だと知り、そのような立派なお医者様であるなら、なおさら幾つもの検査や抗がん剤などの治療を受けている患者の気持ちを知っておいてほしいと思い、私の治療日記をまとめ直し、治療完了から半年たったころ、中村先生にお送りさせていただきました。

気持ち的には、私の乳房も残し、抗がん剤の副作用も思ったよりも軽くすみ、手術もホントに軽いものでした。おそらく私にとって最善の治療を提供してくださったと思っています。そのお礼に!というわけではありませんが、置き土産的な感じで、「もしなにか一つでも先生の参考になれば・・・」という思いでした。

Q3:なるほど。患者さんが医療に関わる手段の一つですね。

同じものを会社の社長などにも読んでいただいたところ、面白いから出版してみてはどうかという話になりました。

ただ、私の中では、乳がんの治療効果や抗がん剤の副作用も人それぞれですし、なによりも、医療の知識がない私が勝手に体験談を本にして、それが間違った解釈や説明不足などで、万が一でも誰かのご迷惑になることがあっては・・・という思いから躊躇していました。

そんなとき、中村先生に定期診察でお会いし、「もし治療日記を本にするなら協力しますよ」という、とてもありがたいお言葉をいただきました。そこまでおっしゃっていただけたら、気がかりがなくなったわけですし、あとは本の形にするだけですよね。

Q4:一番読者の方に伝えたいことはどんなことですか?

おそらく、多くは、乳がん治療を受けていらっしゃる患者さんが読んでくださるのだろうと思います。患者さんと言っても、それぞれ年齢や家族や生活環境、立場、病気の度合など、同じと言える方は極めて少ないと思います。

あくまでも治療や副作用は私の一例でしかありませんが、乳がん治療がどのように行なわれ、どんな検査を何の目的に行なっているのかなど、具体的に理解していただけると思います。

そして、「乳がんは治る」ということです。それには、早いうちに見つけて、適切な治療をすることも大切な要素になってきます。「乳がん」=「死」のイメージを払拭したいですね。

Q5:本を書いてみてどうでした?

意外に私が嬉しかったのは、一般の方が読まれても「面白い」とおっしゃっていただけたことです。

私は、あまりにも楽観的すぎるのかもしれませんが、病気だけでなく、人生に降りかかってくる諸々の問題に対して、きちんと向き合い、一歩前へ足を踏み出すことで新しい世界が開けてくると思います。

人生の中で辛いときや苦しいときは誰にも必ずあると思います。そんなとき、悲観的にならず、問題から逃げずに受け止めて、解決への勇気の一歩を踏み出していただけたらと思います。

Q6:最後に、同じような境遇の方に一言メッセージをお願いします。

焦らず、ゆっくり、穏やかな気持ちで、できる限り自分らしさを失わない毎日を送っていただけたらと思います。

小堀さんありがとうございました☆

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聖路加国際病院の中村清吾先生のもと、臨床試験に参加し、乳がん治療を行なった1年間の記録です。 医師や医療スタッフ、会社と仕事、家族、友人とのかかわりや、検査から抗がん剤治療、手術までの治療の過程をわかりやすくまとめた体験記です。
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